年明け早々にブログをアップしたいと思っているうちに、もう2月の半ばになってしまいました。
標記フォーラムの開催案内がNEDOのウェブサイトにアップされたのは昨年12月14日でした。NEDOからの行事案内メルマガが届いてから5~10分後位で申し込んだのですが、後日メールで送られてきた参加証番号は79番でした。参加定員が400名となっていたので、すぐには満員にはならないと思いましたが、即座に申し込んだ方が多かったようです。
当日の会場はかなり広く、実際に400人位は集まっていたように見えました。昨年10月23日に参加した「水素閣僚会議」と同じくらいの人数はいたように思えます。
2月12日には、当日の講演者の方々のスライド資料がNEDOのウェブサイトに公開されました。
https://www.nedo.go.jp/events/report/ZZTSC_100015.html?from=nedomail
当日の様子の写真もアップされていますが、私の後ろ姿が写っている写真がありますね。多分、誰にも分からないと思います(笑)。
当日の講演で一番関心を持っていたのは、トヨタと本田がどの様な内容の講演をするかでした。当日はFCCJの方の講演資料以外は配布されなかったため、特にトヨタ・本田の講演の時は、必死になってメモ書きしていました。
講演を聞いていて一番思ったのは、FCVを市販している国内2大メーカーが、技術的課題を共有し、これを解決するために一生に活動をしようと、2社で一つの講演資料を作り、これを基に講演するということは、これまでに例がないのではという事です。同じ様な主旨のことを、主催者のNEDOの方も話していました。
一般の人がFCVを実際に購入して公道を走ることが出来るまでに技術が進んだ今も、さらなる改良・改善のために取り組まないとならない大きな課題がまだあるという事でもあるのでしょう。1社ですべてを解決するのは非常にハードルが高く、日本のFCVが世界の先頭を走り続けるためにも、国内メーカーが協力できるところは協力していこうという事なのだと思います。
講演資料では、取り組むべき技術課題が挙げられていましたが、確かにまだまだ多くの課題があります。当日の講演では、主に
(1)電池内に発生する過酸化水素に対する課題
(2)電池の高温作動化への課題
(3)触媒担体の課題
(4)触媒被毒の課題
を取り上げ、現状と今後の取り組むべき課題について説明がありました。当日会場にいた方は非技術系の方も多かったと思います。その様な方々には少々難しい内容だったかもしれません。この講演内容を理解するには、私の「トコトンやさしい燃料電池の本 第2版」を購入し、私が講師を務める技術セミナーに参加して頂くといいかもしれませんね(笑)。
当日の講演資料をメモしている時に、発生する過酸化水素を分解するためにMEA(膜-電極接合体)内へ加えている「ラジカルクエンチャ―」の説明グラフの一部で、凡例のシンボルの説明が入れ違っているものがありました。講演終了後に講演者の所へ行き、名刺交換させていただきながら質問したところ、やはり凡例の記載に誤記がありました。ウェブサイトに公開された資料では、きちんと修正されていました。
MEA内に添加されているラジカルクエンチャーについて、これだけのデータを公に発表しているのは、あまり見ることがないかもしれません。ここは確かに解決すべき重要な技術課題の一つであり、何か良い技術を持っている方にはビジネスチャンスかと思います。
最後の質疑応答の時間では、私も質問させていただきました。詳細な回答はして頂けないことは承知の上での質問でしたが、やはり明確なことは聞けませんでした。でもなんとなくですが、現状はどうなっているのかの雰囲気は少し感じられたと個人的に思ったのですが、会場にいた他の方々はどう思われたでしょうか。