年が明けた1月には少なくとも1回はブログを書こうと思っていたのですが、あっという間に2月になってしまいました。
昨年12月16日に講師を務める予定だった当講座ですが、当日未明から高熱(久しぶりの39℃でしたが、インフルエンザではありませんでした)が出て動けなくなって急遽中止となり、その時のやり直しということで2月2日の午後に開催となりました。
前回申込みされて今回も参加という方が多く、冒頭で前回中止のお詫びをしてから始めた次第です。当日の連絡が間に合わなくて会場まで来られた方も数人いらしたそうですが、本当にご迷惑をおかけしてしまいました。
今回の電気化学に関するセミナー講師のお話を東レリサーチセンターから頂き、実際に動き出したのは昨年の7月頃だったでしょうか。セミナーの内容をどうするかはかなり悩みました。自分に何ができるかなと考えた時に、やはり一番長く関わって来た燃料電池用電極触媒の基本の解説を念頭に置き、電極触媒を理解するために必要な電気化学の基礎事項をまとめることとしました。
12月の開催を目指して資料の準備は9月を目途として進めていたのですが、他の仕事をしながらというのはなかなか大変な作業でした。手元にある電気化学や燃料電池に関する教科書・参考書や文献類に加え、大きな書店へ行って関連図書をいろいろと買い込み、内容を見比べました。
まずは、限られたセミナー時間内にどれだけの話を入れるべきか、燃料電池との関連も考えながら全体の構成を作るのが難しかったです。
もうひとつ悩んだのが、対象者をどう想定するかでした。「基礎」と謳ってはいるものの、電気化学はもちろん化学自体もあまりなじみのない人を想定するか、ある程度化学系の基礎的な事を知っていることを前提にするか、それによってどこまで時間をかけて説明するべきか、きっと幅広い分野の方達が来るだろうと思われたので、これはもうどこかで決めてしまうしかないですね。
セミナー終了後に何人もの方が質問に来られましたが、なるほどそういう点を疑問に思われるのだなと、いろいろと質問して頂くことでこちらとしても大変勉強になりました。セミナー後のアンケートの内容も合わせて、今後のセミナーに反映していきたいと思います。
実際にセミナーをやってみて、「ここの説明をもうひと言入れるべきだった」とか、「話そうと思っていたことが抜けてしまったな」など、反省すべきことがいくつかありました。今回の参加者の皆さんには申し訳ありませんでしたが、次回のセミナーに生かしたいと思います。
セミナーの冒頭と最後に申し上げたのですが、時間の限られたセミナーですべてを知ることは所詮無理な話で、自分自身の経験を含めて思うのは、特に業務で電気化学に関わる方は常に教科書を手元に置いてこつこつと勉強していくしかないと思います。その時にどこが重要なポイントなのかを今回のセミナーで理解して頂き、今後のご自身の勉強を進めていくためのきっかけになったら大変幸いです。
今回のセミナーで一番勉強になったのは私自身かもしれません。他人に分かりやすく説明するということが一番自分自身の勉強になる、という事をあらためて実感しました。私自身もこれをきっかけに、大学時代の電気化学の講義で使った教科書(喜多英明・魚崎浩平「電気化学の基礎」、技報堂出版)をもう一度きちんと読んでみようかなという気持ちになりました。
今回のセミナーと同じ内容で3月23日(木)にも開催します。
http://www.toray-research.co.jp/bunseki_seminar/2017/170323.html
今回都合がつかなくて参加できなかった方はもちろん、ご関心ある方に是非参加して頂けたらと思います。